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調べるお編集後記

調べるお編集部による編集後記やブログに書ききれなかった事などを。編集部と言っても一人ですけどね。

渋谷のこと

GWの昼下がり「渋谷の若者文化衰退の悲劇 - ボン兄タイムス」というとても興味深いエントリーを読みました。引用したんだけど、多くの段落を引用しないといけないので、恐縮だけどざっくりと論点の流れをざっくりと書くと、

商店街の排除活動により渋谷にギャルサーはいなくなった
→クラブの取締が厳しくなり、高齢化
→渋谷音楽の聖地、HMVやクワトロなどが量販店に
→町田や横浜駅西口、地方のジャスコと変わらない
→いかがわしくてチャラい若者が排除
→NHKや国がAKBやオタク文化をサポート
→情報発信の場はアキバになってしまった

こんな感じだろうか・・・。齟齬があったら申し訳ないのですが・・・。

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ボン兄タイムスさんが「渋谷若者文化」と言っているのは90年代後半におきた「コギャルを中心としたカルチャー」のことを指しているのかなって。コギャルカルチャーは全国規模の広がりを見せた。誰もが制服を着崩し、女子はルーズソックスを履いていた。センター街でプリクラを撮り、地べたに座って特に意味もなく話したり。そんなカルチャーは仰る通り、今渋谷には無い。無いというと言い過ぎかな。でも少なくなった気がする。


2つの音楽的潮流

ボン兄タイムスさんは「小学生の時に渋谷が華やかだった」と仰られているので、たぶん今28歳前後かな。僕より10個下の世代。僕の記憶だといわゆるコギャルブームって90年代後半だと思うんだけど、伏線はそのちょっと前から始まってる。

94年くらいから「DJブーム」が起きて、それと同時に「高校生DJブーム」が起きた。深夜のテレビ番組「anpon」や95年創刊のストニューが中心。有名私立高校に通い、DJをするイケメン「門田くん」とかがプレミアム高校生として話題になった。女子高生の流行も盛んに取り上げられた。DJ達は渋谷のマンハッタンレコードに通い、女子校生が登録する事務所の一つは明治通りのFILAのビルにあった(ちなみにそのビルはサイバーエージェント創業のビル)。イケテル高校生が渋谷に集まり、カルチャーが芽吹いた。HIP HOPのカルチャーが強い。

90年代前半から。そこには「渋谷系」と呼ばれる音楽カルチャーがあった。HMVやタワレコなどの外資系レコード店でしか買えないようなマニアックな音楽。ちょっとオシャレな感じの音楽がそこにはあった。こちらはクラブミュージックの趣き。

これら2つの音楽的潮流が上手い具合に「クラブカルチャー」として華開いた。そういう意味でクラブの取締強化ってのは大きな影響があるのかもしれない。


イケテル若者が集う街、渋谷

95年、安室奈美恵withSUPER MONKEY'Sの「TRY ME」が発売。女子高生に受け入れられた。いわゆるアムラーブーム。96年にブームのピークを迎えた。アムラーファッションは109に数多く揃ってるので、学校帰りの女子高生が渋谷に集まった。プリクラブームの影響もあるかも。センター街のプリクラのメッカには多くの女子高生が集まった。

イケテル男子高校生とイケテル女子高生が集う街、渋谷。そこに「自分もイケテル集団に入りたい」「他人よりもちょっと上にいきたい」という高校生などが集まり渦となった。みんなが背伸びした街だった気がする。大学生も多かったし、悪そうな人も多い。緊張と高揚が入り交じってた。イケテル若者が集う場所なのです。それは今もあまり変わらない気がしている。「イケテル人達が集う場所」というブランディングが渋谷には今でも存在してる。それはカルチャーではなく、文化として根付いてる気がするんですよね。表面的には町田や横浜西口と大差ないのかもしれない。でも似て非なるものかな、と。


街が流行を発信という時代ではないのかも

スマホが普及し、あの頃よりも「その場所」に行く必要が無くなったのも原因かもしれない。
80年代の竹の子族、竹下通り、80年代後半から90年代初頭のホコテンバンドブーム、ジュリアナ、そして90年代後半のコギャルブーム。若者を中心としたカルチャーがそれぞれあった。どれも「場所」を中心としたカルチャーだなぁって思う。そこに行かなければ体験できないカルチャー。そしてアキバのカルチャーも。今の若者はその「場所」に行くのがめんどくさくて、スマホを通して擬似的に集まっているのかもな。だから「場所」を中心とした文化っていう流れはできにくいのかも。「アキバから情報発信」って言うけど、正直アキバから何らかのムーブメントが発信されている感覚がない。


渋谷の今の印象

個人的にもう20年以上渋谷を見てるけど、正直今も昔もあまり変わってない気がするんですよねw
これまで渋谷で働いてきたけど、転職して3月から六本木勤務になった。六本木はやはり大人の街で、六本木は六本木で今も昔も発信し続けてる。けどそれは渋谷とは全く異なる。若者もいるけど、若者の街ではないし、これからもならないだろう。

一方渋谷はと言うと、やっぱり若者のエネルギーに満ちている。六本木からバスに乗り、渋谷に降りると落ち着く。渋谷はちょっと背伸びするだけで成立するけど、六本木は背伸びでは足りない。六本木は敷居が高い気がする。これはまだ六本木に慣れてないからなのかもしれないけど。

六本木ヒルズを中心として一時期IT企業の聖地になりつつあった六本木だけど、ビットバレー時代からの企業も渋谷にいるし、最近は若いベンチャーも再び渋谷に集結しだしてる。IT系の企業は若者の勢いに満ちているので、やはり渋谷が似合う気がする。これからもやっぱり渋谷はイケテル若者の文化をを育む街でい続けると思うし、そうあって欲しいな、って思ってます。