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調べるお編集後記

調べるお編集部による編集後記やブログに書ききれなかった事などを。編集部と言っても一人ですけどね。

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匿名画像共有アプリ『Pictory』を実際に見てみてら「BOYS BE…」を思い出した件



匿名画像共有アプリ『Pictory』が月間200万PVになったよーというプレスリリースを朝見つけてツイートしたんだけど、最初は「メルカリ進太郎さん、ツイキャス赤松さん、インキュベイトファンドが出資してるのかー」くらいしか思わなかった。でも実際ダウンロードして見てみたら、なかなか興味深いアプリだった。



投稿されている画像にはメッセージが入っている。メッセージを入れた画像を投稿するサービスって言うのが正しいかも。メッセージは注釈的なものや、セリフっぽいものが多いが、ポエム、心の叫びみたいなのもかなり多い。特に恋愛カテゴリの画像にそえられているメッセージはポエムか心の叫び。もう僕はおじさんなのだが、投稿されている若者の叫びを読んでいて一瞬思春期を想い出しましたよ。『BOYS BE…』を読んだ後のような気分になりました。

こういう思春期ならではの感情と共感ってのはいつの時代も存在する。おじさんは『BOYS BE…』を思い出しましたが、若いコはきっと西野カナを思い出すかもしれません。『Pictory』を震えながら見ている人も少なくないでしょう。

一方でU-NOTE小出さんが興味深いツイートをしてました。

なるほど『前略』的な感じもするのですかね。西野カナとBOYS BEの間の世代でしょうか。『前略』に関してはちょっと発言を控えますが、00年代後半に中高生を中心に一世を風靡したプロフサービス(詳しくはねとぽよさんの記事をご覧ください。かなり詳細な解説があります)。たしかに『前略』の質感にも通ずるとこがあるかもしれません。


そんなわけで、『Pictory』には今後も注目していきたいところです。


新経済サミット(NES2014)備忘録

4月9日、10日にホテルニューオータニで行われた新経済サミットに参加してきました。二日間ともわりとフルでセッションを聞いていたのですが、今回はプレスとしてではないのでとくにメモをとってないのでレポートではなく雑感をこちらに残してみます。


複数のスピーカーから出たのは「スピード大事」「女性の参加重要」

LINEの森川さん始め、何人かのVIPが「スピードが重要」と言っていたのが印象的だった。早く世の中に出し、圧倒的なスピードで市場をおさえたものが勝つという。今世紀は数の勝負なのでまずはスピード重視で数をいち早く確保し、収益はその後考えていけばいい、という趣旨の発言を何度か聞いた。まさに収穫逓増の原理といいましょうか。10年前からネット界隈では収穫逓増の原理の重要性は変わらないんだなぁと思いました。

スピード重視というのは、最低限のクオリティを備えたサービスをいち早くリリースするってことであり、全くの未完成品を早く出すのを指しているわけではない。そこは勘違いしがちなので気をつけたいところ。

スピード以外に「女性の進出」にも言及している方が何人かいた。PinterestのBen Silbermannなどがその一人。彼の発言はTHE BRIDGEにまとめられていたのでそちらをご覧ください。


海外サービスの日本進出におけるハードルはもはや言語だけ

丁度当日に日本版がオープンしたYelpのJeremy Stoppelmanがそんなことを言っていた。これまでの彼のキャリアにおいて「日本は特殊だぞ」と言われ続けていたという。文化も言語も異なり、サービスが上手く展開できないという事例が数多くあった。市場的には魅力的だが、難易度が高いと尻込みをしていた。しかし同じく「展開が難しい」と言われていたFacebookが日本でシェアを拡大したことにより「いける」と感じた、と。

これまで日本におけるハードルであった「文化」的なものはフラットになり、もはや言語のみが課題と言えるかもしれない。

これは脅威にも感じるけど、逆に日本発のサービスが海外展開をすることを考えるとむしろ「良い風」かもしれないなぁと。もちろん各国それぞれのローカライズ作業は重要(Angry BirdのPeter Vesterbackaはローカライズの重要性を説いていた)だが、これまでよりかはハードルは低くなっているのかもしれない。これはポジティブにとらえていきたい。


英語を勉強するか、プログラミングを勉強するか、どちらかだ

500 StartupのGeorge Kellermanは「投資家は(お金だけでなく)価値も提供しなくてはいけない」といった趣旨のことを言っていた。価値にはいろんなものがあるが、ファイナンス的なものだけでなく、経営や制作の素養も必要になってくるかもしれない。その中でもプログラミングの知識は実務者以外の人も必要な世の中なのかもなと。必須ではないけど、あった方が良い。

そしてもう一つが「英語」。前述のとおり日本と海外を分ける大きなハードルはもはや言語のみという側面もあるわけで、英語を使いこなすことがこれからの日本人のカギになってくるのは間違いなぁ。英語を流暢に扱う若者も増えてきてるし、おじさんも頑張らないとな・・・。


ヤナティさんの2年ちょい前の記事がバズってたので

ヤナティさんの2年ちょっと前のブログ記事がTLに結構流れてきてたので読んでみたのですが、やっぱりヤナティ節は2年ちょっと前も健在というか、らしさ満載の記事でした。

6年で株価が1/3になりました」という件について [ダダステーション]

結構長い記事なのですが、大きく分けると、

・ファンコミ創業から現在(2年前)までの業績
・上場準備の苦労
・上場する理由
・株価について
・ヤナティ、経営者として想いを語る!

といった感じ。それぞれ興味深いポイントがあったのですが、その中でも「上場する理由」のとこが趣き深いと言いますか。

ぼくらには上場させないといけない理由があったんですよね。まずはぼくたちに資金を支援してくれた人をハッピーにさせたいという思いがありました。何でかって言ったら、そりゃ一応事業計画を書きますけど、そんなものうまくいくかどうかわからないじゃないですかw未来のことですしね。

特にこの業界、なかなか未来の事は予測できない。仮に完璧に予測したとしても、それは「空想」としてオトナに受け入れられる可能性は低かったりします。事業計画って「今」を基準に書いてしまうので、変化に対応した企業ほど当初の計画とブレてしまったりするのではないかと。

そんな中で、まったく経営のキャリアがないぼくたちにお金出してくれるんですよ。ぼくらのことを信じてね。だから、これはお返ししないとダメだと思うわけですよ。これは義理人情の世界です。特に個人で出資してくれる人たちには頭が下がりました。企業から出るお金と個人のポケットから出るお金じゃ同じ金額でも価値が違いますからね。

これはそう思うんです。会社が資金を必要としているから調達するわけで、そこに「借り」があるんですよ。借りたモノは返すのが筋。期待をかけて資金を出してくれた人には、それ相応の報いをしたいところです。その手段が上場だけではないけども、一つの王道ではあります。


そして、「経営者としての想い」のとこに「ぼくには時代に翻弄されずに、会社の価値をあげて行きたい」と書かれていますが、まさにファンコミらしさを象徴する一文かなと。地道に粛々と事業を進め、現在の好業績につながってるし、この記事が書かれた当時と今の時価総額を比べると10倍以上になっているわけで、一つの結果が出ている気がします。

最後にこの言葉で締めたいと思います。
あらゆるお金儲けって、お金儲けのためにしたらダメだと思います。社会に価値があるものを生み出した結果として、お金がついてくるって感じじゃないとね。
by ヤナティ